目の仕組み
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視界のゆがみは放置せず早めの対処を
遠くの看板や道路標識、夜景の光がにじんで見えたり、パソコンなど細かな文字がぶれてしまい読みにくいと感じたりしませんか?それは乱視が原因かもしれません。乱視は角膜や水晶体のわずかなゆがみで生じる屈折異常の一つで、放置すると慢性的な目の疲れや頭痛を招くことがあります※1。
乱視とは
正常な眼では光が一点に集まり網膜上に鮮明な像を結びますが、乱視は角膜や水晶体の形がゆがみ、縦方向と横方向で光の屈折力が異なってしまうため、焦点が線状に広がり網膜上の像がぼやけます※2。ほとんどの人に軽度の乱視はありますが、強い乱視は視力低下や眼精疲労の大きな要因となります。
主な原因
最も多いのは、角膜表面のカーブがラグビーボールのように非対称である「角膜乱視」です。先天的な形状のゆがみのほか、外傷や角膜疾患、加齢に伴う水晶体のゆがみなども影響します※1。
現れやすい症状
- にじみ・二重像による視界の不快感
- 細かい文字が見分けにくい(例:3、6、8などの数字)
- パソコン画面の文字がブレて見える
- ピントを合わせようとして目を細めてしまう
- 読書スピードの低下
- 夜、月が2つに見えたり光がにじんだりする
- 細かい作業や長時間の画面閲覧後に生じる目の疲れ
- 無意識のうちに強いられる調節努力による頭痛や肩こり※2
矯正方法
メガネ
乱視矯正用の度数(円柱度数)を入れた眼鏡レンズで縦横の屈折力を補正します。度数が強過ぎても弱過ぎても違和感や疲労につながるため、快適な矯正量の見極めが重要です※3。
コンタクトレンズ
「トーリックレンズ」と呼ばれる乱視用のレンズで乱視を矯正します。角膜の上でレンズが回転してしまうと、正しく乱視が矯正されないので、トーリックレンズは乱視の向きにレンズが正しく安定するようにデザインが工夫がされています。
乱視用(トーリック)コンタクトレンズはどうやって乱視矯正しているの?
屈折矯正手術
レーシックやフェイキックIOLなど、角膜形状や水晶体にアプローチする手術も選択肢ですが、適応検査と術後管理を含め眼科医の十分な説明を受けることが欠かせません※3。
眼科受診のすすめ
乱視は自覚しにくく、自己判断で度数を決めると過矯正や低矯正になりやすい屈折異常です。見えにくさや、見え方の違和感、疲れを感じたら、視力測定だけでなく角膜形状解析などを含む精密検査を受けて乱視の有無をチェックしてもらい、最適な矯正方法を相談しましょう※2。
快適な見え方を目指して
乱視の矯正は「よく見える」だけでなく「楽に見える」状態を保つことが目的です。メガネとコンタクトレンズを使い分ける、作業距離に合わせた度数を用意するなど、自分のライフスタイルに合った選択肢を取り入れることで、日常の視界は大きく改善します。目の負担を軽減し、クリアな視界で快適な毎日を送りましょう。
※1 公益財団法人日本眼科学会「近視・遠視・乱視」 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=28 (参照日:2025-04-15)
※2 公益社団法人日本眼科医会「屈折異常と眼精疲労」 https://www.gankaikai.or.jp/health/28/index.html (参照日:2025-04-15)
※3 公益社団法人日本眼科医会「メガネのかしこい使い方」 https://www.gankaikai.or.jp/health/41/ (参照日:2025-04-15)

監修 :東原尚代 先生(医学博士)
1999年に関西医科大学を卒業後、京都府立医科大学眼科学教室へ入局。バプテスト眼科クリニックや大学院でのドライアイ・角膜の研究を経たのち、2011年にひがしはら内科眼科クリニック副院長に就任。地域に寄りそった眼科診療と共に、京都府立医科大学でも円錐角膜・コンタクトレンズ専門外来や講師を務める。専門分野は、円錐角膜・ドライアイ・コンタクトレンズ。