コンタクトレンズを初めて購入するときは何をする?購入のポイントも紹介

スマートフォンを操作する女性

Point

  • コンタクトレンズを初めて購入する場合、眼科の受診が大切
  • コンタクトレンズには種類があり、それぞれ特徴が異なる
  • コンタクトレンズは利用頻度や個人の目のタイプに合わせて購入すると良い

目次

  1. 初めてのコンタクトレンズ購入の流れ
  2. コンタクトレンズ購入時のポイント
  3. コンタクトレンズを初めて購入したときの使い方
  4. コンタクトレンズの種類
  5. コンタクトレンズの選び方
  6. まとめ

初めてのコンタクトレンズ購入の流れ

コンタクトレンズのケース

初めてコンタクトレンズを使用したい場合はどうすれば良いでしょうか。コンタクトレンズを購入する際の一般的な流れを解説します。

1. 問診

コンタクトレンズを購入するには、必ず眼科で検査・診察を受けて、自分に合ったコンタクトレンズを処方してもらわなくてはなりません。眼科を受診したらまず問診があり、次のようなことを聞かれます。

  • 目の症状
  • 既往歴
  • コンタクトレンズの使用目的
  • 仕事の種類など目を取り巻く生活環境
  • 1日のスマートフォンやパソコンの使用時間
  • 点眼薬使用の有無
  • コンタクトレンズの使用経験
  • 希望するコンタクトレンズの種類

問診で得られた情報を元に、どのようなコンタクトレンズが適切であるか判断されます。もし、目に気になる症状がある場合などには、なるべく具体的に伝えるようにしましょう。

2. 診察、検査

問診が終わったら検査と診察が実施されます。主な検査内容を以下にまとめました。

  • 他覚的屈折検査
  • 自覚的屈折検査と視力検査
  • 目の状態の検査(細隙灯顕微鏡検査)

コンタクトレンズは屈折異常(近視、遠視、乱視など)を矯正するためのものです。そのため、目の屈折検査と視力検査を行ってから診察が行われます。
診察では、眼科医による目の観察があります。アレルギー性結膜炎やドライアイのチェックののち、それまでの検査結果も確認しながら、コンタクトレンズの使用可否と、コンタクトレンズの使用頻度や用途からどのタイプのコンタクトレンズが適しているのかを判定します。そして、自覚的屈折検査の結果から、検査用のコンタクトレンズ(トライアルレンズ)が選択されます。

3. コンタクトレンズ装用テスト、決定

診察が終わったら、選択されたトライアルレンズを装用します。トライアルレンズが落ち着くまで5分程度(乱視用などの場合は15分程度)待ってから診察室に入り、目にコンタクトレンズが合っているかの検査をします。目にコンタクトレンズが合っていない場合は、トライアルレンズを入れ替えて、再検査を行います。目にコンタクトレンズが合っていることが確認できたら、コンタクトレンズ装用下で視力検査して度数の微調整を行いコンタクトレンズの度数を決定して処方されます。

4. コンタクトレンズの使い方や取扱いの説明

最後に、コンタクトレンズの使い方の説明と初心者の場合は取扱いの指導を受けます。
もし、わからないことや不安なことがあれば、質問して必ず確認しておきましょう。

コンタクトレンズ購入時のポイント

コンタクトレンズを手に持つ様子

次に、コンタクトレンズ購入時のポイントについてお伝えします。コンタクトレンズの購入で思わぬ失敗をしてしまわないためにも、これから解説するポイントをチェックしておきましょう。

不安点、疑問点があれば眼科医に相談する

もし、不安点や疑問点があれば、眼科医に相談しましょう。特に、コンタクトレンズのつけ外しの方法や、日々のケア方法などは大切なポイントです。些細な疑問であっても積極的に眼科医に質問して、不安を解消しておきましょう。

2回目以降も眼科を受診してから購入する。

コンタクトレンズを医師の診察なしに自己判断で購入することは、眼障害を引き起こすリスクも生じます。また、目の状態は変化するため、度数やレンズの種類を変えた方が良い場合も少なくありません。そのため、コンタクトレンズを購入する際は2回目以降であっても眼科を受診してコンタクトレンズを処方してもらう必要があります

定期検査を受ける

コンタクトレンズを使用している方は、定期的に検査を受ける必要があります。定期検査では、矯正視力や度数が合っているか、目の状態はどうかといった検査を行い、必要に応じて、改めてコンタクトレンズを処方してもらいます。

目の状態やコンタクトレンズを装用した際の見え方は、時間の経過によって変化することがあります。自分では目の調子は良いと思っていても、気づかないうちに病気が進行しているリスクもあります。対処が遅れて病状を悪化させてしまったということがないように、眼科医の指示に従って定期検査を受けましょう

コンタクトレンズを初めて購入したときの使い方

コンタクトレンズを装着する様子

続いて、コンタクトレンズを初めて購入したときの使い方について解説します。

コンタクトレンズの使い方

ソフトコンタクトレンズの場合を例に、つけ方と外し方について解説します。なお、コンタクトレンズを扱う前に爪を短く切って、忘れずに手を洗うようにしましょう

ソフトコンタクトレンズのつけ方
1 コンタクトレンズを人さし指に乗せて、同じ手の中指で下まぶたを引き下げます。同時にもう一方の手の人さし指で上まぶたを引き上げてください。指をまつげの生え際にあてると、目を大きく開けることができます。
2 黒目が目の中央になるように鏡に顔を向けてください。コンタクトレンズをゆっくりと目に近づけて、鏡を見ながらそっと目に乗せます。この際に上目づかいになったり、反対の目が閉じてしまったりすると黒目の位置がずれてしまい、正しくコンタクトレンズが装着できないので注意しましょう。
3 コンタクトレンズを正しく黒目に載せられたら人さし指をゆっくり離して、瞼を押さえていた指を離します。指を急に離したり強く目を閉じたりすると、コンタクトレンズが外れてしまう場合もあるので注意してください。
4 コンタクトレンズが黒目の上に装着できているかどうかを鏡で確認して見え方も確認しましょう。
5 もう一方の目にも同じ方法でコンタクトレンズを装着してください。
ソフトコンタクトレンズの外し方
1 コンタクトレンズの直径は約14mmですので、黒目より一回り大きいサイズになっています。少しあごを引いて正面を向いた状態で目を大きく開け、鏡を見てコンタクトレンズの位置を確かめます。
2 中指で下まぶたを軽く引き下げて、同じ手の人さし指でコンタクトレンズを黒目より数mm下方にずらしてください。
3 そのままの状態で親指と人さし指の腹を使って、コンタクトレンズの下の方を軽くつまんで外しましょう。

コンタクトレンズの装用や取り扱いは眼科医の指示を守るようにしてください。また、コンタクトレンズに添付されている文書をよく確認して、正しく使用するようにしましょう。

コンタクトレンズのお手入れ方法

コンタクトレンズは、汚れがたまってしまったり、細菌やカビが繁殖したりする恐れがあるため、1日使い捨て以外のコンタクトレンズは毎日の洗浄と消毒が重要です。コンタクトレンズのケア用品にはさまざまな種類がありますが、例としてMPS(マルチパーパスソリューション)を使用する場合のお手入れの流れを以下にまとめました。

MPSでコンタクトレンズのケアをする流れ
STEP1 洗浄 コンタクトレンズを外して手のひらの上に乗せます。コンタクトレンズにMPSをたらし、反対の手の指を使ってこすり洗いしましょう。こすり洗いは裏、表、それぞれ20回が目安です。
STEP2 すすぎ MPSでコンタクトレンズの両面を十分にすすぎます。
STEP3 保存 MPSを満たしたレンズケースに、コンタクトレンズを入れます。蓋をしっかりと閉めて、十分な時間放置すれば消毒は完了です。(多くの場合、4時間で消毒が完了します)翌朝、コンタクトレンズを装用したあとはレンズケースを水道水でよくすすぎ洗いし、十分に乾燥させてください。

コンタクトレンズの種類

コンタクトレンズのケース

コンタクトレンズにはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴を正しく理解することが大切です。ここでは、大きくソフトコンタクトレンズ・酸素透過性ハードコンタクトレンズの2つに分けて解説します。

ソフトコンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズは水分を含む柔らかいプラスチック素材でできており、眼になじみやすい特徴があります。ソフトコンタクトレンズは交換期間が決まっているものが多く、1日使い捨てタイプや2週間や1か月で交換するタイプがあります。そのほかにソフトコンタクトレンズにも購入から1~2年間使用する従来タイプがありますが、今はほとんど処方されなくなりました。

酸素透過性ハードコンタクトレンズ

酸素透過性ハードコンタクトレンズはソフトレンズと比較すると硬い素材でできており、レンズとしての性能が高く、ソフトコンタクトレンズよりもくっきりと見えることが多いと言われています。なお、酸素透過性ハードコンタクトレンズのほとんどは使用期間が決まっていない従来タイプで、寿命は2年〜3年ほどです。

コンタクトレンズの選び方

コンタクトレンズケースを手に持つ女性の手元

さまざまな種類があるコンタクトレンズですが、どのように商品を選べば良いでしょうか。
ここでは、コンタクトレンズのタイプ別に選ぶ際のポイントを解説します。

ソフトコンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズは眼になじみやすいため、初めてコンタクトレンズを利用する方でも扱いやすいコンタクトです。まずはコンタクトレンズの利用頻度を考えてみましょう。
例えば、1日使い捨てタイプのコンタクトレンズは日々のケアが不要で簡単に利用することが可能です。一方、2週間や1ヶ月で交換するタイプは毎日のケアは必要ですが、1日当たりのコストが1日使い捨てタイプよりも安いという特徴があります。

酸素透過性ハードコンタクトレンズ

酸素透過性ハードコンタクトレンズは毎日のケアが必要ですが、1つの製品を2年〜3年と長く使用することが可能です。また、強い近視や乱視の矯正に優れておりクリアな視界も得やすいので、強い乱視の方は細かい文字を読む場面が多くても目の負担は少なくて済むでしょう。ただし、酸素透過性ハードコンタクトレンズは硬い素材でできているため、初めて使用される方は慣れるのに時間がかかってしまうかもしれません。加えて、ソフトコンタクトレンズに比べて外れやすいため注意が必要です。

乱視用コンタクトレンズ

乱視とは目の中でレンズの役割をする角膜や水晶体がゆがんでいるために、目に入ってきた光の焦点が一点に定まらない状態を言います。乱視で悩まれている方は、乱視用コンタクトレンズを利用できます。乱視用コンタクトレンズは乱視の原因である角膜や水晶体のゆがみを打ち消し、焦点が一点に結ぶように設計されたレンズです。乱視用にも1日使い捨てと2週間で交換するタイプがあります。

遠近両用コンタクトレンズ

遠近両用コンタクトレンズには、老眼による近くの見えにくさを改善するための光学デザインが施されています。例えば、近くでピントが合いにくかったり、スマートフォンや本の文字が読みにくかったりする方は、遠近両用コンタクトレンズで症状が改善するかもしれません。

まとめ

スマートフォンを持って微笑む女性

コンタクトレンズを初めて購入する際には、わからないことも多く不安に感じてしまう方も少なくないかもしれません。しかし、眼科を受診して検査をしてもらえれば、自分に適したコンタクトレンズを選ぶことが可能です。コンタクトレンズにはさまざまなタイプがあるので、生活環境や利用頻度、屈折度数、年齢などから自分にぴったりな商品を選んでみてはいかがでしょうか。

監修 :東原尚代 先生(医学博士)

1999年に関西医科大学を卒業後、京都府立医科大学眼科学教室へ入局。バプテスト眼科クリニックや大学院でのドライアイ・角膜の研究を経たのち、2011年にひがしはら内科眼科クリニック副院長に就任。地域に寄りそった眼科診療と共に、京都府立医科大学でも円錐角膜・コンタクトレンズ専門外来や講師を務める。専門分野は、円錐角膜・ドライアイ・コンタクトレンズ。

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