ベースカーブを自分で調べることは可能?合わなかったときのトラブルも解説

Point
- ベースカーブはレンズの内側のカーブの大きさを表す数値
- ベースカーブを自分で調べることはできない
- ベースカーブなどが合っていないと様々なトラブルを引き起こす可能性がある
そもそも「ベースカーブ」とは?

初めてコンタクトレンズを選ぶ方に向けて、まずはベースカーブの概要や表記方法、数値による違いを説明します。
ベースカーブの概要
ベースカーブとは、レンズの内側のカーブの大きさを意味します。眼科での検査後に受け取るコンタクトレンズ指示書(処方箋)や、コンタクトレンズのパッケージ、商品説明文にも記載されています。
ベースカーブの数値による違い
ベースカーブの数値はmm単位で「BC8.7」のように表記されるのが一般的です。たとえばBC8.7は、半径8.7mmの円周と同じカーブを指します。そのため数値が大きいほどレンズのカーブはゆるやかに、小さいほどきつくなります。
コンタクトレンズ選びに必要なそのほかの数値

コンタクトレンズのパッケージなどには、ベースカーブ以外にも次のような数値が書かれています。それぞれ解説していきます。
- POWER・PWR・P/SPH・S
- DIA
- CYL・CY
- AXIS・AXS・AX
- ADD
POWER・PWR・P/SPH・S
POWER・PWR・Pは「パワー」で、コンタクトレンズの度数のことです。SPH・Sは「スフェリック」のことで球面度数とも言います。近視や遠視を矯正する度数です。単位はDです。
DIA
DIAはレンズの直径です。「ダイアメーター」または「ダイアミター」の略です。mm単位で表示され、1日使い捨てや2週間交換ソフトコンタクトレンズの一般的な直径は、14.0〜14.5mmほどです。
CYL・CY
円柱度数のことで、乱視を矯正するための度数です。Cylは「シリンドリカルパワー」または「シリンダー値」の略です。単位はDです。コンタクトレンズの円柱度数は、「-」で表記され、多くの場合、-0.75D、-1.25D、-1.75D、-2.25Dと0.50刻みになっています。
AXIS・AXS・AX
円柱軸のことを指し、AXは「アクシス」の略です。乱視の軸や乱視用コンタクトレンズの円柱度数の軸の角度を示します。円柱軸が180°付近の乱視を直乱視、90°付近の乱視を倒乱視、45°や135°付近の斜め方向の乱視を斜乱視と言います。斜乱視用のコンタクトレンズは需要が少ないため、種類も限られています。
ADD
遠近両用コンタクトレンズの加入度数を指します。ADDは、「アディション」の略です。遠近両用コンタクトレンズでは、遠くを見るための度数から近くを見るための度数まで1枚のレンズに分布しており、その差を加入度数といいます。
ベースカーブを自分で調べることは可能?

ベースカーブは、コンタクトレンズが目に合っているかを決める大切な要素の一つですが、目に合っているかどうかを自分で調べることはできません。コンタクトレンズが目に合っているかを決める要素には、他にもレンズ素材、レンズ全体のデザイン、直径、レンズの厚さなど、多くの要素があるために、そのレンズのベースカーブが適切かどうかは実際に目に入れた状態を眼科の先生に確認してもらわないとわかりません。
ベースカーブが合っていないと起こるトラブル

自己判断でコンタクトレンズを選ぶと、目にトラブルが生じる可能性があります。眼科で実際にコンタクトレンズを装用し、検査してもらったうえで、コンタクトレンズ指示書(処方)を元にコンタクトレンズを購入することが大切です。ここでは、ベースカーブが合わないことで生じる場合があるトラブルを解説します。
ドライアイになる
ベースカーブが小さすぎると、レンズの周辺部が角膜の周辺部や白目の部分を締め付け、貼りつきや充血、乾燥感の原因になります。
コンタクトレンズがずれやすくなる
ベースカーブが大きく、瞬きの時の動きが大きすぎると、異物感の原因になることがあります。また、コンタクトレンズが白目までずれたりすることもあります。もし鏡などを使ってもコンタクトレンズが目の中で見つからなくなってしまった場合は、焦らずに眼科を受診しましょう。
まとめ

今回はベースカーブをはじめとして、パッケージに書かれた数値や、自分の目に合っていないコンタクトレンズを使うことで起こるトラブルについて解説しました。
自己判断でコンタクトレンズを選んでしまうと、違和感や異物感、乾燥感を引き起こす可能性があります。装用時の違和感やトラブルを防ぐためにも、きちんと眼科で検査を受けてコンタクトレンズを装用しましょう。