ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違いを解説!

Point
- ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズは、コンタクトレンズの硬さ、大きさ、使用できる期間などに違いがある
- ソフトコンタクトレンズは装用感がよく、外れにくい
- ハードコンタクトレンズは、強い乱視や不正乱視を矯正できる
目次
コンタクトレンズの種類

コンタクトレンズは、近視・遠視・乱視などを矯正して視力を補正するための高度管理医療機器です。レンズの素材によって、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの2種類に分けられます。
ソフトコンタクトレンズとは
ソフトコンタクトレンズは、水分を含む柔らかい材質で、レンズの直径は約13.5〜14.5mmと角膜(黒目、直径11~12㎜)よりも少し大きいコンタクトレンズです。装用すると黒目全体と白目も少し覆います。装用した際に眼に違和感が少ないのが特徴で、運動やスポーツ時の使用に向いています。
多くは、1日使い捨てタイプや2週間タイプなど、使用できる期間が決まっています。
ハードコンタクトレンズとは
ハードコンタクトレンズは水分をほとんど含まない素材で作られています。直径が、約8.5〜9.5mmと角膜よりも小さいサイズです。ハードコンタクトレンズのほとんどは使用期間が決まっておらず、1枚のレンズを2~3年程度使います。目に障害が起こった時に、違和感に気づきやすい点が特徴です。
ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違い

ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違いを、以下の4つの要素に分けて解説します。
- 使用できる期間
- 酸素透過率
- 乱視矯正力
- ケアの方法
使用できる期間
ハードコンタクトレンズは1枚のレンズを約2〜3年使用(※)することができます。一方、ソフトコンタクトレンズは1日使い捨てタイプ、2週間タイプなど、多くは使用期間が決まっています。
※使用状況や環境によってレンズの寿命には個人差があります。
酸素透過率
酸素透過率とは、コンタクトレンズが酸素をどれだけ通すのかを表す指標です。酸素透過率が高いコンタクトレンズは多くの酸素を角膜に届けることができます。角膜が酸素不足の状態になると、様々な眼障害を引き起こすリスクが高くなります。
ハードコンタクトレンズは酸素を通すプラスチックでできており、直径が角膜よりも小さいため、装用時に多くの酸素を角膜に届けられる特性があります。
ソフトコンタクトレンズを装用すると、角膜全体を覆います。古いタイプのソフトコンタクトレンズはレンズに含まれた水分を介してのみ酸素を通していたため、酸素透過率が低く、角膜が酸素不足を起こしやすいと考えられていました。しかし、近年は酸素を多く通す特性のあるシリコーンを配合した、高酸素透過性のシリコーンハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズが登場してきました。今では、日本で販売されているソフトコンタクトレンズの半数以上はシリコーンハイドロゲル素材になっています。
乱視矯正力
乱視とは、目のレンズの働きをする角膜や水晶体の形が歪んでいるために焦点が一つに集まらず物がぼやける状態をいいます。
ソフトコンタクトレンズは素材が柔らかく、角膜を柔らかく覆うために、乱視用のソフトコンタクトレンズでなければ乱視の矯正ができません。一方、ハードコンタクトレンズは素材が硬く、装用時にも変形しづらいので、特に乱視用のコンタクトレンズでなくても角膜の歪みで起こる角膜乱視を矯正できます。また、ハードコンタクトレンズは円錐角膜や角膜移植後などで起こる角膜不正乱視も矯正することができます。ケア方法
ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズには、それぞれに異なるケアが必要です。例えば、ソフトコンタクトレンズは水分を多く含むために、ハードコンタクトレンズと比較して細菌や真菌、アメーバなどの微生物が繁殖しやすい特徴があります。そのため、ソフトコンタクトレンズは毎日、洗浄だけでなく消毒をする必要があります。また、ソフトコンタクトレンズの洗浄やすすぎに水道水を使用することはできません。
ソフトコンタクトレンズのメリット・デメリット

ここからは、ソフトコンタクトレンズのメリットとデメリットについて解説します。
メリット
装用感が良く、異物感が少ないため、初めてコンタクトレンズを装用する方でも慣れやすいという特徴があります。また、衝撃に強くズレにくいため、スポーツに適しています。
さらに、1日使い捨てや2週間交換など、使用期間が異なるレンズから選べるため、用途や目的に応じて選択することができます。
デメリット
装用感が良いというメリットはありますが、目やレンズの異常に気づきづらい、目の乾きを感じやすい、ハードコンタクトレンズと比較して感染症のリスクが高い、といったデメリットが挙げられます。
ハードコンタクトレンズのメリット・デメリット

次に、ハードコンタクトレンズのメリットとデメリットを確認します。
メリット
ハードコンタクトレンズは視力の矯正力に優れており、強い乱視や不正乱視の矯正も可能です。また、ソフトコンタクトレンズと比較して感染症のリスクが低く、目やレンズの異常も気づきやすいです。
デメリット
一方、レンズが衝撃でズレやすいため、激しいスポーツには向きません。また、ソフトコンタクトレンズに比べて眼に異物感を覚えやすく、慣れるのに時間がかかります。
コンタクトレンズを使用する際の注意点

ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違いについて解説してきました。ここからはコンタクトレンズを使用する際の注意点を解説します。
必ず眼科を受診する
コンタクトレンズは高度管理医療機器であり、初めて装用するときはもちろん、コンタクトレンズを購入するとき、定期検査など、たびたび眼科の受診が必要になります。眼科では、視力や近視・遠視・乱視の度数、角膜のカーブ、眼疾患の有無、使用目的などから適したコンタクトレンズが処方されます
また、気づかないうちに以前処方されたレンズが合わなくなっていたり、目の障害が起こっていたりすることがあります。コンタクトレンズを使い始めてからも、定期的に目の健康診断を受けましょう。
装用時間・期間を守って使用する
コンタクトレンズの装用時間には個人差があるため、眼科医に指示された装用時間を守って装用しなければなりません。また、装用時間が長すぎたり、装用したまま眠ってしまったりしたら、角結膜障害の原因になることがあります。
コンタクトレンズには様々な種類があり、それぞれに使用できる期間が定められています。使用期間に従って装用しましょう。
まとめ

ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズは異なる特徴を持っており、それぞれにメリット・デメリットがあります。どちらを装用すべきかは眼科医に相談し、使用する用途や、環境、ご自身の状況に適したコンタクトレンズを選びましょう。