コンタクトレンズ選びで気になること

乾燥する!でも、コンタクトレンズを使いたい

「コンタクトレンズを使っていると目が乾く。でも、コンタクトレンズを使いたい…」そうお考えの方もいらっしゃるでしょう。乾燥を感じやすい方がコンタクトレンズを選ぶ上で最も大切なのは、自己判断せず、必ず眼科医に相談することです※1。適切なコンタクトレンズ選びと管理を行えば、乾燥を感じやすい方やドライアイの方でも快適にコンタクトレンズを使用できる可能性はあります。まずは眼科を受診し、専門家である眼科医に相談することから始めましょう。

なぜ眼科医への相談が必要なのか?

ソフトコンタクトレンズは、水分を含み軟らかいプラスチック(ハイドロゲル)でできており、含水率や素材によって水分の蒸発量や汚れの付着しやすさが変わります。乾燥感は涙の蒸発やレンズの汚れが大きく影響するのは間違いありませんが、近年、コンタクトレンズ装用時の「摩擦」が装用感にもっとも影響する因子として注目されています。ソフトコンタクトレンズを装用すると、薄い涙がコンタクトレンズの上と下に分断されます。コンタクトレンズ上の涙は非常に薄くて不安定なため、瞬きするだけで瞼の裏側とコンタクトレンズ表面に摩擦が生じて乾燥を感じると考えられています※3

コンタクトレンズ装用中の乾燥感は段階的に進行するとされるため※3、コンタクトレンズ装用からのドロップアウトの原因と言われています。したがって、コンタクトレンズを使い始めた後も、定期的な検査を受け、目の健康状態とレンズとの相性を継続的にチェックしてもらうことが不可欠です。眼科医は、コンタクトレンズ乾燥に伴う不快感の原因や程度、目の形状などから診断し、最適なコンタクトレンズの種類、素材、含水率、そして装用スケジュールを提案してくれます。

眼科医が考慮するコンタクトレンズ選びのポイント

眼科医は、診察結果に基づき、以下のような点を考慮してレンズを選定します。

  • 素材: 酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材は、乾燥を感じることが少ないといわれています。
  • 含水率: 含水率の高いレンズは、含まれる水分が多く、乾燥に伴うレンズ変形(収縮)の度合いが大きくなるために、レンズ乾燥に伴う違和感、異物感が大きくなりやすいといわれています。ただし、最近では、ワンデーレンズを中心にうるおい成分を含ませたレンズも増えてきたため、一概に高含水レンズが乾燥を感じやすいとも言い切れなくなっています。
  • 摩擦係数: 摩擦係数の低いコンタクトレンズほど1日終わりの装用感は良好と報告されています※3
  • 交換頻度: ワンデータイプは毎日新しい清潔なレンズを使用するため、レンズ汚れに起因する乾燥感を軽減できる可能性があります※4

コンタクトレンズ装用中の乾燥対策も忘れずに

適切なコンタクトレンズを選ぶことに加えて、日常生活での乾燥対策も重要です。

  • 意識的にまばたきの回数を増やす。
  • 長時間装用を避け、適度に目を休ませる(メガネとの併用も有効)。
  • コンタクトレンズ装用中でも使用できる人工涙液などを使用する(必ず眼科医に相談の上、指示されたものを使用する)。
  • 加湿器を使うなど、室内の乾燥を防ぐ工夫をする。

快適なコンタクトレンズライフのために

コンタクトレンズ装用中に乾燥を感じやすい方が快適に使用するためには、眼科医による適切な診断とコンタクトレンズ選び、そしてご自身のケアが重要です。繰り返しになりますが、まずは眼科を受診し、眼科医にご相談ください。

※1 日本眼科学会「ドライアイ - 病名から調べる」 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=9 (2025-04-02)

※2 公益社団法人日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安」 https://www.gankaikai.or.jp/health/52/ (2025-04-02)

※3 Jones L, Brennan NA, Gonzalez-Meijome J, et al. The TFOS International Workshop on Contact Lens Discomfort: Report of the Contact Lens Materials, Design, and Care Subcommittee, IOVS October 2013, Vol. 54, No. 11 j TFOS37-70

※4 公益社団法人日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」 https://www.gankaikai.or.jp/health/62/index.html (2025-04-02)

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監修 :東原尚代 先生(医学博士)

1999年に関西医科大学を卒業後、京都府立医科大学眼科学教室へ入局。バプテスト眼科クリニックや大学院でのドライアイ・角膜の研究を経たのち、2011年にひがしはら内科眼科クリニック副院長に就任。地域に寄りそった眼科診療と共に、京都府立医科大学でも円錐角膜・コンタクトレンズ専門外来や講師を務める。専門分野は、円錐角膜・ドライアイ・コンタクトレンズ。