その目の見えにくさ、もしかして乱視かも?!
乱視とはどのような状態で、どのような見え方なのでしょうか。
本ページでは、乱視の見え方や乱視がなぜ起こるのかなどについてお話しします。
動画で分かる! 乱視とは?
- 長編動画 (1分50秒)
- 短編動画 (15秒)
あなたも確認してみよう!
2つ以上あてはまったら、あなたも乱視かも!?
- 遠くも近くも、ぼやけて見える
- 二重に見える(ダブって見える)
- 暗くなると見えにくい
- 信号や標識の文字がぼやけて見える
- 電光掲示板の文字が二重に見える
- 電燈の光や車のヘッドライトがにじんで見える
- パソコンのモニターの文字がにじんで見える
- 目を細めたり、顔をしかめて見ることが多い
- 目の疲れ、頭痛、肩こりがある
- 目の乾燥感やまぶしい感じがある
乱視簡単チェックの項目が1つ以下の場合
あなたは乱視が無いか、あっても矯正が必要ない程度の乱視と思われます。
乱視簡単チェックの項目が2つ以上あてはまる場合
乱視の矯正をした方が良いかもしれません。
一度、眼科の先生にご相談してみてはいかがでしょうか?
見え方の比較
- 近視も乱視もない
- 近視の見え方
- 乱視の見え方
目は何かを見るときに、“見ているもの”にピントを合わせて見ています。カメラのオートフォーカスのようなイメージです。目がピントを合わせられる範囲(目からの距離)は、近視や遠視などの目の状態によって異なります。
近視は、ピントを合わせられる範囲が近すぎる状態です。そのため、近くは見えますが、遠くはぼやけて見えにくくなります。
反対に、ピントの合う範囲が遠すぎる状態を遠視といいます。近視や遠視はピントの合う範囲が近いか遠いかということです。
乱視は、常にブレたりぼけたりして、どの距離でもピントが合わない状態です。そして近視や遠視に乱視が加わると、さらに見えにくくなります。
本ページでは、乱視の見え方や乱視がなぜ起こるのかなどについてお話しします。
乱視のメカニズム
目の仕組み
人がものを見るということは、「見ているもの」からくる光を目で感じているということです。通常、目に入る光は目の中でレンズの役割をする部分(角膜と水晶体)で適度に曲げられ(屈折)、目の奥の網膜で一点に集まります(焦点)。網膜に焦点を結んでいるときにはっきりものが見えます。
光がレンズを通って焦点を結ぶというのは、虫メガネが光を一点に集めることと同じ原理です。皆さんも、子供の頃に虫メガネで太陽の光を集めて黒い紙などを焦がした経験があると思いますが、それと同じことが目の中で起こっているのです。
乱視がなぜ起こるのか
乱視とは、目のレンズの働きをする部分(角膜と水晶体)がゆがんでいるため焦点が合わない状態をいいます。光を屈折させるレンズがゆがんでいたら、光はどうなるのでしょう?
このようにレンズがゆがむと、光もゆがめられて一点に集まらずにズレてしまいます。この状態が乱視です。同じことが目で起これば「乱視がある目」ということになります。
乱視の見え方
では、乱視がある目はどのような見え方になるのでしょう? 先ほどの「虫メガネ」をゆがませた絵を使って説明します。
乱視がある目では光は一点に集まらず、光はズレてしまいます。そして見る場所によって見え方が異なります。
暗い場所での乱視
乱視がある目は暗い場所でより見えにくくなり、乱視の見え方は明るさによっても違ってきます。角膜と水晶体の間には虹彩という膜があり、その真ん中あたりに瞳孔という穴が開いています。光は瞳孔を通って目の中に入り、人は瞳孔の大きさを変えることで目に入る光の量を調整しています。
暗い場所では瞳孔は広がります。広がった瞳孔から入った光は、目の中でも大きく広がり、ぼけが大きくなってしまいます。反対に瞳孔が小さくなっているときは、狭い範囲から光が入り目の中で光が広がらず、ぼけも小さくなります。見えにくい時に目を細めると見やすくなるのと同じ原理です。
乱視の見え方体験
乱視の見え方が体験できます。
下の図の“乱視なしの見え方”、“乱視の見え方”を押すとそれぞれの見え方が表示されます。
乱視では、特に暗いと見えにくく感じます。(明るい昼間の見え方は下にあります)
- 乱視なしの見え方
- 乱視の見え方
- 乱視なしの見え方
- 乱視の見え方
乱視の種類とその見え方
(直乱視・倒乱視・斜乱視)
乱視は大きく2つの種類に分けられます。
先ほどの「ゆがんだ虫メガネ」のようにレンズが一定方向にゆがんでいるものを正乱視、レンズが不規則にゆがんでいるものを不正乱視と言います。例えば角膜の一部が突き出ていたり、デコボコしているときにできます。正乱視はメガネや乱視用ソフトコンタクトレンズで矯正できますが、不正乱視はメガネや乱視用ソフトコンタクトレンズでは矯正できません。
正乱視はゆがんでいる方向で、直乱視、倒乱視、斜乱視に分けられます。目のレンズとして働く部分(角膜や水晶体)が、上下方向につぶれるようにゆがんでいると直乱視、反対に横方向にゆがんでいると倒乱視、斜めであれば斜乱視になります。直乱視、倒乱視、斜乱視で当然見え方は違いますが、人の目では直乱視が最も多く、倒乱視、斜乱視の順に少なくなります。
乱視矯正の種類と仕組み
乱視用(トーリック)コンタクトレンズは
どうやって乱視矯正しているの?
ソフトコンタクトレンズにも乱視用があります。
乱視用の度数の入ったソフトコンタクトレンズは、「乱視用ソフトコンタクトレンズ」「トーリックソフトコンタクトレンズ」と呼ばれています。
乱視用ソフトコンタクトレンズによる矯正の考え方は簡単です。目のゆがみの方向と反対のゆがみを持ったレンズを正しく向きを合わせて入れればいいのです。そうすれば目のゆがみによる乱視が打ち消されて矯正されます。
でも、コンタクトレンズの向きを乱視の向きに合わせて入れても、レンズが目の中で回転して、向きがズレたりしないのでしょうか。
通常のコンタクトレンズでしたら、まばたきなどの影響を受けてレンズの向きはズレてしまいます。しかし、乱視用ソフトコンタクトレンズは、レンズが目の中で回転しないように特殊なデザインをしているのです。乱視用ソフトコンタクトレンズのデザインには、レンズの下方に厚みを持たせているプリズムバラストとレンズの上下を薄くしているダブルスラブオフの2種類があります。
プリズムバラストデザイン
プリズムバラストデザインは、レンズの上の方が薄く、レンズの下の方に向かって徐々に厚みを増すような形をしています。
コンタクトレンズはまばたきのたびにまぶたから圧力を受けます。そのとき、レンズに厚みの差があると厚い方から先に飛び出ようとする特性があります。
レンズの下の方が厚くなってるプリズムバラストデザインのレンズは、まばたきのたびにレンズは正しい向きを向くような力を受けることになるのです。
ダブルスラブオフデザイン
ダブルスラブオフデザインは、レンズの上下方向が薄く、左右方向が厚い形をしています。レンズの薄い部分を上下のまぶたと眼球で挟み込んでレンズの回転を抑えます。
乱視用レンズの見え方
乱視用(トーリック)コンタクトレンズを
つけたらどんな見え方になるの?
乱視用ソフトコンタクトレンズを入れたときの見え方を体験してみましょう。
おわりに
ここまで読んでくださった方は、乱視がどういう目の状態でどういう見え方なのか、コンタクトレンズによる乱視矯正などについて、理解していただけたのではないかと思います。
もし、今お使いのコンタクトレンズをつけていても、見えにくい、暗い場所で光がにじんだりダブって見えたりする、文字が読みにくいなどと感じることがありましたら、それは乱視のせいかもしれません。
ご自分の目に乱視があるのかが気になったり、乱視用ソフトコンタクトレンズについてご興味がある方は、眼科の先生に相談してみてください。
乱視や乱視用コンタクトレンズに関するよくある質問
ただ、乱視は進むこともあれば、弱くなることもあります。乱視は、眼の中でレンズの役割をしている角膜や水晶体などにゆがみが生じて起こりますが、まぶたの圧力や眼の生理的な変化によって乱視の状態は影響を受けます。
正乱視以外に不正乱視と呼ばれる乱視があり、角膜の一部が突出していたり、角膜の損傷などによって角膜がゆがんでいることが原因で起こります。ものが3個4個とたくさんに見えたり、ゆがんで見えたりします。不正乱視はメガネやソフトコンタクトレンズでは矯正できず、ハードコンタクトレンズの適応になります。