
今まで2回に渡って「乳幼児の視力と目の病気」についてお話してきました。
今回は、子供のコンタクトレンズデビューについてお話しようと思います。
さて、「子供に初めてコンタクトレンズをさせるのはいつ頃がいいの?」「何歳から使えるの?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。
実は、赤ちゃんでも先天性白内障など医学的な理由でコンタクトレンズを使うことがあるのですが、その場合は親がレンズのつけ方や外し方などのお手入れ(ケア)を行うことになります。
このような治療目的の場合を除き、小学生のお子さんがコンタクトレンズ使うことは、あまりおすすめできません。なぜなら、取り扱いを清潔に安全に行うことが難しく、また装用中に異常が生じた時に十分な対処ができないことが考えられるからです。
スポーツやバレエ、ダンスなどをやっていて、どうしてもコンタクトレンズが必要になった時は、眼科医に相談してみましょう。小学生に限らず、未成年者の初めてのコンタクトレンズは、保護者も一緒に眼科医に相談することが大切です。
まずは、お子さんがコンタクトレンズ使う前に、保護者の方に確認していただきたいことをいくつか挙げますので、参考にしてみてください♥
お子さんがコンタクトレンズを使うために、クリアしていますか?
- 目に合ったメガネを持っていますか?
→もしメガネを持っていなければ、最初にメガネをつくりましょう。
コンタクトレンズは、メガネの代わりではありません。コンタクトレンズしか持っていないと、レンズを長時間つけてしまったり、目の調子が悪い時でもレンズを無理して使ったりして、大切な目にキズがつき、症状が悪化して取り返しのつかないことになることがあります。 - コンタクトレンズの処方を受ける時や、コンタクトレンズのつけ方・外し方・お手入れ(ケア)の方法の説明を受ける時は、保護者が付き添うことができますか?
→お子さんがコンタクトレンズを正しく使っているかどうか、日頃から保護者の方がチェックすることが必要です。そのためにも、保護者の方が正しいコンタクトレンズの使い方を理解しておくことが大切です。 - 定期検査には保護者も付き添うことができますか?
→目に異常がなくても、レンズ装用開始日から1週間後、1カ月後、3カ月後、以降3カ月毎または眼科医の指示に従って定期検査を受けることになります。
本人が異常を感じていなくても、異常が生じて目薬が出されることがあります。
成長期で度数の変化が大きく、コンタクトレンズの度数やカーブが変更されることもあります。
定期検査をきちんと受け、目の状態を把握するためにも、保護者の付き添いが必要です。 - コンタクトレンズを使う時間は眼科医の指示をきちんと守らせることができますか?
コンタクトレンズは必要なときだけ使わせるようにしなければいけません。 - コンタクトレンズをしている時に、突然目にゴミが入ったなどのアクシデントがあった場合でも、慌てずに手を洗ってからレンズを外せるような、落着きある行動や冷静な判断が出来そうですか?
また、コンタクトレンズをつけて異常(ゴロゴロ感、痛み、かゆみ、充血など)が生じた場合、すみやかに眼科医の診察を保護者と一緒に受けに行くことが出来ますか?
これらを全てクリアしていても、目や健康の状態などによっては、眼科医に「コンタクトレンズが使えない」と診断されることもあります。
コンタクトレンズは大切な目に直接装用する高度管理医療機器です。
眼科医に良く相談し、普段はメガネ、スポーツの時だけワンデータイプのコンタクトレンズにするなど、お子さんにも保護者の方にも無理のないようにコンタクトレンズデビューをしてくださいね♪
監修:医学博士 﨑元 卓(フシミ眼科クリニック)