コンタクトレンズは、なぜ落ちないの? コンタクトレンズが目の中で割れることはあるの?など、コンタクトレンズに関する素朴な疑問にお答えします。
- コンタクトレンズは、なぜ落ちないのですか?
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コンタクトレンズは、涙の表面張力によって目に引き寄せられています。表面張力と言うのは、表面をできるだけ小さくしようとする液体の性質です。指先を濡らすと小さなものが吸い付いてくるのも表面張力によるものです。これと同じ原理です。コンタクトレンズは軽くて薄いので、目の表面を覆っている涙によって引き寄せられているのです。
- ソフトコンタクトレンズは、なぜ黒目の上に安定しているのですか?
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黒目のカーブが白目のカーブよりも小さくなっているからです。
ソフトコンタクトレンズのカーブは、黒目のカーブよりも少し大きく、白目のカーブよりも少し小さくなるよう設計されています。ソフトコンタクトレンズが黒目に乗っているとき、レンズの周辺部分は白目にかかります。
白目のカーブはレンズのカーブよりも大きいため、レンズの白目にはみ出した部分は少し引き伸ばされて乗っています。
引き伸ばされたレンズは元の形に戻ろうとするためレンズが縮む方向に力が発生します。この力により、レンズは目を少し締め付けるような形になり、この状態で安定しています。
この状態から、レンズがカーブの大きい白目のほうにずれてしまうと、レンズはさらに大きく引き伸ばされることになり、レンズが縮んで元に戻ろうとする力も大きくなります。
このレンズ縮もうとする力により、レンズは元の黒目の上に戻るのです。 - メガネやコンタクトレンズを使うと近視の度が進みますか?
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よく、メガネは近視が進むけど、コンタクトレンズはあまり進まないという人がいますが、そんなことはありません。近視が進むときには、メガネでもコンタクトレンズでも同じように進みます。ただ、メガネやコンタクトレンズを使っているから近視が進むと言うわけではなく、近くを見ることが多いなど、他の環境によって左右されることが多いようです。
また、ハードコンタクトレンズを入れると近視や乱視の度数が変化することがあります。これは、硬いハードレンズで角膜(黒目の部分)が押えられ少し形が変わるからです。ハードレンズを使わなくなると元に戻ります。 - コンタクトレンズは何歳まで使えるのですか?
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コンタクトレンズには基本的に年齢制限はありません。
目や体の状態によっては何歳まででもお使いいただくことができます。ただし、コンタクトレンズのつけはずしとレンズケアができて、定期的に検査を受けられることが最低条件です。ご自身で、つけはずしとレンズケアを行なうのが難しい場合、ご家族や眼科でフォローしていただければ、コンタクトレンズをお使いいただくことはできます。 - 犬もコンタクトレンズが使えますか?
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一般的なコンタクトレンズは基本的に人間の目にあわせて作られていますので犬に使うことはできません。犬用のコンタクトレンズも存在していますが、視力補正用ではなく、犬の目に障害が起きたときのための治療用コンタクトレンズです。
- 度数はつよければ強いほどよく見えますか?
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コンタクトレンズやメガネの度数が強いほど良く見えるようになるというのは間違いです。ご自身の近視、遠視、乱視の状態にぴったり合った度数が一番良く見えます。それ以上に度数を上げても視力が上がることはありません。近視を矯正している場合、ぴったりの度数よりも強くすると逆に遠視の状態になってしまいます。
これを(近視)過矯正といいます。見え方が良くなるわけではなく、近くが見えにくくなったり、眼精疲労の原因になったりします。
また、ぴったり合った度数が一番良く見えると書きましたが、それが、一番快適に装用できる度数とは限りません。年齢や生活環境、仕事内容などにより快適な度数は人それぞれです。眼科で良く相談して度数を決めるようにしましょう。 - コンタクトレンズはどんな素材で作られているのですか?
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コンタクトレンズは特殊なプラスチックでできています。基本的には、ハードコンタクトレンズは、酸素をたくさん通す特性を持ったプラスチック、ソフトコンタクトレンズは、水分を含んでやわらかくなる特性のプラスチックです。最近では、ソフトコンタクトレンズ素材に酸素を良く通すシリコーンを含有しているシリコーンハイドロゲルレンズが一般的になってきています。また、コンタクトレンズ素材になるプラスチックは、複数の異なった特性をもつ成分を組み合わせて作られています。酸素を通す特性、水を含む特性を持った成分のほかに、丈夫にするための成分、汚れを付きにくくするための成分、しなやかさを持たせるための成分などを組み合わせて、さまざまな特徴を持ったコンタクトレンズ素材が作られています。
- 工場でコンタクトレンズを作るのにどのくらい時間がかかりますか?
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コンタクトレンズの種類によってまちまちです。モールドという型を使って作る、
1日使い捨てや2週間交換コンタクト
レンズなどは、1枚のコンタクトレンズができるまで数十分から数時間です。
また、モールドを使った製法では、一度にたくさんのコンタクトレンズを作ることが出来ます。プラスチックのかたまりから削って作るハードコンタクトレンズなどは、1枚のコンタクトレンズを作るのに数日間かかることもあります。
- コンタクトレンズが目の中で割れることはありますか?
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普段の生活の中でコンタクトレンズが割れることはほとんどありません。
ただし、コンタクトレンズは薄いプラスチックでできていますので、ボールが目に当たったりといった衝撃により目の中で割れてしまうことがあります。ソフトコンタクトレンズの場合は、レンズが目の中で折れ曲がったりすることがあります。コンタクトレンズが目の中で割れたり折れ曲がったりしたら、眼科を受診して完全に取り除いてもらいましょう。 - 使いたいコンタクトレンズを自分で決める事はできますか?
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眼科でコンタクトレンズの種類を決めるときに、ご自身のご希望を聞かれます。ご自身のご希望はコンタクトレンズの種類を決める上で重要な
要素ですが、その希望が必ずかなうとは限りません。
コンタクトレンズの種類を決める前に眼科ではさまざまな検査を行ないます。近視、遠視、乱視の度数だけではなく、目の状態を総合的に判断するためです。目の状態、生活環境、ご自身のご希望などを考慮したうえで
コンタクトレンズの種類が決められます。 - コンタクトレンズを入れるのは怖くないですか?
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コンタクトレンズを入れたことのない人にとっては、コンタクトレンズが乗った指が目に近づいてきて・・・と想像するとちょっと怖いかもしれません。
目に物が近づくと目を閉じてしまいますが、それは大切な目を守るための防御反応で自然なことです。しかし、レンズを入れても痛みがないこと、よく見えることを体験すると恐怖心は薄らぐと思います。
また、ちょっとしたコツと慣れで克服できます。コンタクトレンズを目に入れるとき、近づいてくる自分の指を直接見るのではなく、鏡を通して目と指を見るようにしてみましょう。すると客観的に自分を見ることができ、不思議と怖い気持ちがわいてきません。ぜひお試しください。 - コンタクトレンズを目に入れて、痛くないですか?
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コンタクトレンズは目にとって異物ですので、どんなコンタクトレンズでも、はじめて入れたときには違和感、
異物感がでることはあります。
最近の1日使い捨てや2週間交換ソフトコンタクトレンズは、素材がやわらかく、レンズ自体も薄くできていますので、最初からほとんど違和感なく入れられることが多いです。痛いということはまずないでしょう。
痛いと思われがちなハードコンタクトレンズも、はじめて入れたときにも多少異物感がでる程度のことが多いです。ハードコンタクトレンズの異物感は装用し続けることで慣れてきますので、おおよそ1週間程度で気にならなくなるようです。 - コンタクトレンズをはずした後には目を洗うほうが良いですか?
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基本的にコンタクトレンズをはずした後に目を洗う必要はありません。
目の中に入った汚れなどは涙で十分に洗い流されます。また、目の表面は涙の薄い膜におおわれていて、その中には涙の蒸発を防いでいる油の層や涙を保持して目を保護している粘液の層、殺菌成分や栄養素など大切なものがたくさん含まれています。目を洗うことで大切な成分が流されてしまい、かえって目が傷つきやすくなったり、ドライアイを引き起こしやすくなったりすることもあります。