CONTACT LENS & HEALTH NEWS

コンタクトレンズ市場調査
2014年7月に国際的な市場調査会社、Global Industry Analysts ( http://www.strategyr.com ) が世界的なコンタクトレンズ市場調査結果を発表しました。Global Contact Lens and Solutions Industryというタイトルの324ページの報告書で、次の項目が含まれています。

  • 世界的なアイケア市場のまとめ
  • 各国の経済状況、人口統計、市場傾向
  • AMO、Alcon、Bausch + Lomb、Coopervision、Ginko International、Vistakonなどの世界的企業の詳細な分析
  • 新製品、革新、テクノロジー
  • 日本、中国を含む太平洋地帯の特定の国々の市場分析

この報告書はオンラインで4950ドルで購入することができます。

FEATURE ARTICLE: MYOPIA RESEARCH

これまでの記事のまとめ
今月で近視の研究に関する記事は5回目になります。これまでの4回分の記事の復習をしてから、新しい内容を書こうと思います。今月は、野外活動と近視の関係についてです。

近視の疫学 (6月号)
近視は世界中で視覚障害の主要な原因の一つになっています。特にアジア諸国では増加しているようです。また、近視は患者自身、家族、社会にとって大きな負担になっています。近視に対する光学的な矯正、たとえば眼鏡、コンタクトレンズ、屈折矯正術に関することなどは眼科業務にとっては日常的な業務です。しかし最近まで、小児の近視進行を効果的に防ぐ手段はありませんでした。

新しい研究 (8月号)
動物研究などにより、小児の近視の原因の理解は進んでいます。新生児の小さな眼球は遠視の傾向がありますが、成長するにつれて、目の長さは伸びて遠視が弱くなっていきます。現在の科学者たちは網膜上の像のボケが眼の成長を促すと考えています。遠視性のボケ(図1-.a、網膜より後方に焦点を結びます)は眼球の成長を促し、眼軸長を伸ばします。反対に近視性のボケ(図1-b、網膜の手前に焦点を結びます)は眼球の成長を抑制して眼軸長の伸びが遅くなります。眼が成長して正視に近づいてきたら、それ以上成長し続けないことが望ましいことです。しかし、その時に遠視性のボケがあれば、眼球は成長しすぎてしまい近視になってしまいます。近視性のボケがある場合には、近視の進行を遅らせることができます。また、網膜周辺部のボケのほうが網膜中央部のボケよりも影響が大きいことが研究によりわかってきています(図2)。

マルチフォーカル ソフトコンタクトレンズ (9月号)
理想的には、近視を矯正した時に網膜中央部では網膜上に焦点を結び、網膜周辺部では近視性のボケがある状態が望ましいです(図3)。網膜中央部で焦点が合っていれば、鮮明な見え方になり、網膜周辺部の近視性のボケが近視の進行を遅らせます。マルチフォーカルソフトコンタクトレンズを使用することによって、そのような状態を作り出し、小児の近視進行を遅らせることを示す研究がいくつかあります。

オルソケラトロジー(10月号)
オルソケラトロジーでは、患者は特殊なガス透過性ハードコンタクトレンズを寝るときに装着します。そうすることで一時的に角膜の形状が変形して-4.00D程度までの近視なら矯正されます。通常、レンズは朝はずしますが、角膜形状は1日保たれますので、メガネやコンタクトレンズを装着しなくてもよく見えるようになります。オルソケラトロジーで近視を矯正すると、マルチフォーカルコンタクトレンズで矯正したときと似た光学特性になります。つまり、網膜中央部で焦点が合い、網膜周辺部で近視性のボケが作られます(図3)。2005年以降、6つの研究によってオルソケラトロジーがマルチフォーカルコンタクトレンズと同じように近視の進行を30~50%程度抑制することが示されました。

野外活動と日光
遺伝と環境要因
光学的な要因のほかに、遺伝や環境要因が近視の進行に影響します1)。両親が近視であれば、子供が近視になる危険性が高くなることを示した研究もいくつか発表されています2,3,4)。しかし、遺伝による危険要因は修正することができません。多くの科学者は環境要因のほうが遺伝的な要素よりも重要であると考えています5)。これまでの事例によると、過度な近見作業は近視の要因になるとされてきました。しかし、反対の結論を出している研究もあります6,7)。近見作業だけでは近視の危険性が増加しないというのです3)。

光と野外活動
動物実験により、明るい光によって近視が予防されることが示されてきました8,9)。ですので、過去10年以上の間に、多くの研究が、子供に多くの日光を浴びさせることになる野外活動が小児の近視の危険性を低下させることができるかどうかの観察を行なっています。それが真実ではないとする研究もあります10-13)が、最新の研究では野外活動は近視進行を抑えることができることを示しています3,4,14-18)

北京の近視進行研究(2014年)
研究によって異なる結論が出てしまう理由の一つは、年齢、性別、親の近視やその他の要因などが複雑に絡み合っているからです。北京の370名の小児を対象とした最近の断面的研究では、統計分析によって他の要因をコントロールして、近見作業が近視の危険性を増加させないという結論を出しました6)。この研究では、他の要因をコントロールした後に、対象の子供が野外で過ごした時間も分析して、野外活動と近視の間に相関関係があることを結論付けました。つまり、小学生の子供は野外で過ごす時間が長いほど、近視になる危険性が低下するということです。

ALSPC データベース研究(2012年)
スポーツのような特定の野外活動が近視のリスクを低減するのでしょうか。それとも単純に野外活動そのものが近視を予防するのでしょうか。イギリスで行なわれた両親と子供に対するAvon Longitudinal研究に参加した4000人以上の小児のレトロスペクティブ分析では、活動の種類の関わらず野外で過ごす時間によって近視のリスクを低減すると結論付けました7)。野外活動の何が近視進行を抑えるのかを特定してはいませんが、一つには単純に光を浴びることが挙げられるでしょう。野外活動と日光の近視に対する影響についてよりよく理解するための他の研究が現在進行しています。

結論
いくつかの研究の間で矛盾する結果は報告されていたり、日光や野外活動に近視抑制における役割が完全に理解されているわけではなかったりしますが、近視の子供を外で活動させることを奨励するのに十分な根拠にはなります。野外で活動することで、近視進行の抑制はもちろん、他の健康効果も期待できます。

参考文献

  1. Myrowitz EH. Juvenile myopia progression, risk factors and intervention. Saudi J Ophthalmol 2012;26:293-7.
  2. Goh LK. New Approaches in the Genetics of Myopia. In: Beuerman RW, ed. Myopia – Animal Models to Clinical Trials. Singapore: World Scientific Publishing Co Pte Ltd; 2010:163-82.
  3. Jones LA. Parental history of myopia, sports and outdoor activities, and future myopia. Invest Ophthalmol Vis Sci 2007;48:3524-32.
  4. Yin G. Outdoor activity and myopia among primary students in rural and urban regions … Ophthalmology 2013;120:277-83.
  5. Flitcroft DI. The complex interactions of retinal, optical and environmental factors in myopia aetiology. Prog Ret Eye Res 2014;31:622-60.
  6. Lin Z. Near work, outdoor activity and their association with refractive error. Optom Vis Sci 2014; 91:376-82.
  7. Guggenheim JA. Time outdoors and physical activity as predictors of incident myopia in childhood: A prospective cohort study. Invest Ophthalmol Vis Sci 2012; 53:2856-65.
  8. Lan W. Bright light induces choroidal thickening in chickens. Optom Vis Sci 2013; 90:1199-1206.
  9. Ashby RS. The effect of bright light on lens compensation in chicks. Invest Ophthalmol Vis Sci 2010;51:5247-53.
  10. Lu B. Associations between near work, outdoor activity, and myopia among adolescent students in rural China Arch Ophthalmol 2009;127:769-75.
  11. Low W. Family history, near work outdoor activity and myopia in Singapore Chinese preschool children. Br J Ophthalmol 2010;94;1012-16.
  12. Fujiwara M. Seasonal variation in myopia progression and axial elongation: an evaluation of Japanese children participating in a myopia control trial. Jpn J Ophthalmol 2012;56:401-6.
  13. Jones-Jordan LA. Time outdoors, visual acuity, and myopia progression in juvenile-onset myopes. Invest Ophthalmol Vis Sci 2012;53:7169-75.
  14. Rose KA. Outdoor activity reduces the prevalence of myopia in children. Ophthalmology 2008;115:1279-85.
  15. Rose KA. Myopia, lifestyle and schooling in student of Chinese ethnicity in Singapore and Asutratial. Arch Ophtahlmol 2008;126:527-30.
  16. Dirani M. Outdoor activity and myopia in Singapore teenage children. Br J Ophthalmol 2009;93:997-1000.
  17. Li D. Children’s refractions and visual activities in the school year and summer. Optom Vis Sci 2010;87:406-13.
  18. Cui D. Effect of day length on eye growth, myopia progression, and change of corneal power in myopic children. Ophthalmology 2013;120:1074-79.

BASIC CLINICAL TECHNIQUES – VISUAL ACUITY

今月は、基本的かつ重要な視覚検査、視力検査について解説します。もっとも一般的な視覚検査ですが、臨床上で行なわれる唯一の視覚検査というわけではありません。

視力検査の重要性
視力検査は単純な検査のように見えますが、手順に従って注意深く行なう必要があります。臨床上で行なわれる多くの重要な決定は正確な視力検査に依存しています。視力は次に挙げる目的に使用されます。

  • 患者の視覚の状態の測定。目の検査の最初や、身体検査の間に行ないます。
  • 屈折検査の導入。
  • 視覚に関する疾患の管理。

チャートの校正
異常がなく、健康で、矯正された眼は視角5分の大きさの視標(ランドルト環の切れ目の幅は視角1分)を読むことができます。この視標が読めると、視力が1.0ということになります。これの2倍の大きさの視標が読めれば、視力は0.5となり、10倍の視標であれば視力は0.1になります。患者が読めた最も小さい視標の大きさによって視力の値が決まります。視力を測定する前に、視標が距離に対して正しい大きさになっているのかを確認しなければいけません。表1に3つの検査距離による正しい視標の大きさを示します。

下の式を用いて測定距離毎の0.1の視標の大きさを計算出来ます。

(視標の大きさ) ={ (検査距離、m) / (6.0) }×87.27

検査手順
以下の状態で視力検査を行ないます。

  • 遠見視力
  • 近見視力
  • 右眼、左眼、両眼視力
  • 裸眼視力
  • 普段の矯正状態の視力(使用している眼鏡またはコンタクトレンズ)
  • 最良矯正視力

視力検査は以下の手順で行ないます。

  • ① 片眼視力を測定するため、患者に片眼を遮蔽してもらう。
  • ② 視力表をまっすぐ見てもらい、見ることができる最小の列の視標をよんでもらう。
  • ③ 検査中に患者が眼を細めないか、前に乗り出していないか、検査していないほうの眼で見ていないかなどをチェックする。眼鏡を使用して検査している場合、適切に眼鏡を使用しているかもチェックする。
  • ④ 患者が推測で読んでいるとしても、見えている最小の視標の列を読むように働きかけます。小さくて見えにくい視標を読みたがらない患者もいますが、読むように促すと、すべての視標を正確に読むこともあります。
  • ⑤ 同じ列の視標を半分以上間違えた場合には、そこで止めます。
  • ⑥ 最後に読んだ列と、その列で読み間違えたり読めなかったりした視標の数を記録します。または次の列で正確に読めた視標の数を記録します。たとえば、0.5(-2)、0.5(+2) のように表現します。
  • ⑦ 患者が一番上の視標(最も大きい)も読めなかった場合、視力表に近づくように指示します。そして、一番上の視標がかろうじて読める地点まで近づいたら、止めて、視力表からの距離を記録します。
  • ⑧ 視力表に近づいても一番上の視標も読めない場合には、患者の顔の前に出したあなたの指が見えているか、指の数がわかるかを確認します。「指数弁」と書き、距離を記録します。
  • ⑨ 指の数がわからない場合、手を動かして、それがわかるかを確認します。手の動きがわからない場合、目の前の光がわかるかを確認します。

視力検査の限界
視力検査は有用で重要な検査ではありますが、完全な視覚の検査というわけではありません。中心の視力だけを確認する検査であり、白地に黒文字という高コントラスト視力の検査になります。それ以外の部分に視力不良があっても、視力検査では良好な結果ということもあります。たとえば、網膜剥離の患者では、良好な中心視力は得られますが、周辺視力は悪いことが考えられます。高コントラストの視標では良好な視力が得られる場合でも、コントラストが低い視標で視力不良ということもあります。患者ごとの問題点に即した視覚の検査を知る必要があります。

logMAR視力
研究者はlogMAR視力を用いることが多いです。なぜなら、logMAR視力はデータ計算や分析に向いているからです。logMAR視力の詳細は2012年の4月のニュースレターを参照ください。

(翻訳: 小淵輝明)

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