コンタクトレンズの取扱いとケア

コンタクトレンズを装用していて目が乾いた時や、花粉症や結膜炎、角膜炎などの炎症になってしまった時には、コンタクトレンズを装用したまま点眼できる人工涙液、あるいは眼科から指示された目薬を使用してください。
でも、「目薬をさすのは苦手」、「どうしてもうまくさせない」という方も多いようです。
目薬の効果を最大限に発揮させるための「失敗しない上手なさし方」は、ちょっとしたコツさえつかめば簡単です。ぜひお試しください。

目薬のさし方

  1. 手指を石鹸で洗い、よくすすいで乾かしましょう。
  2. 上を向き、目薬を持っていない方の手の親指で下まぶた、人差し指で上まぶたを大きく開きましょう。
  3. 目薬の容器は、利き手の親指と人差し指で持ちましょう。
  4. 目薬を黒目の2~3cm真上の位置から1滴だけ点眼します。
  5. 点眼後は、上を向いたまま30秒~1分くらい静かに目を閉じましょう。

目薬をさすときのコツ

点眼する時に目薬の容器の先端が目に近づくと、無意識に目を閉じてしまう場合は、下まぶたを指で押し下げてポケットのようになったところに点眼すると、意外とうまくいきますのでお試しください。

注意点

  1. 目薬の1滴は約50μL(1/20mL)ですが、目に保持できる薬の量は大人で約20-30μLです。
    何滴も点眼しても目からあふれて無駄になってしまい、あふれた液が目の周囲の皮膚に付いてかぶれたりすることもあるので適量をさすことがポイントです。
    ぞれぞれの目薬の適量は、添付文書(付属している説明書)に記載されているので、それを確認しましょう。
  2. 目の周りについた目薬は、かぶれなどの原因になるので、ティッシュなどでふき取りましょう。
  3. 目薬を点眼してすぐにパチパチとまばたきをする人がいますが、まばたきはしないでください。まばたきによってせっかくの目薬が涙と一緒に流れ出てしまい、目薬の効果があまり発揮されなくなってしまうことがあります。
  4. 目薬の容器の先端が、まつげ、目やまぶた、指先に触れないように注意しましょう。
    特にマスカラやまつげエクステ、化粧をしている場合は注意が必要です。
    目薬容器の先端に付着した汚れから微生物が増殖することで目薬が汚染されてしまい、症状が悪化してしまうことがあります。
  5. 目薬は自分専用にして、他の人と貸し借りするのはやめましょう。

保管する時の注意

目薬は冷蔵庫に保管しなければならないと思っている人もいますが、高温になるところでなければ、必ずしも冷蔵庫に保管しなくても大丈夫です。 また、光に弱い成分が含まれている薬もありますので、車の中や窓際など直射日光や強い光に当たる場所は避け、付属の遮光袋に入れておくことをオススメします。
一度開封した目薬は、たとえ残っていても、もったいない! と思わずに、1ヵ月位を目安に捨てましょう。目薬の添付文書を読み、医師や薬剤師の指示に従いましょう。

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監修 :東原尚代 先生(医学博士)

1999年に関西医科大学を卒業後、京都府立医科大学眼科学教室へ入局。バプテスト眼科クリニックや大学院でのドライアイ・角膜の研究を経たのち、2011年にひがしはら内科眼科クリニック副院長に就任。地域に寄りそった眼科診療と共に、京都府立医科大学でも円錐角膜・コンタクトレンズ専門外来や講師を務める。専門分野は、円錐角膜・ドライアイ・コンタクトレンズ。