デジタル眼精疲労

The Nielsen Companyが2014年に実施した調査1によれば、現代の米国人はスマートフォン、コンピュータ、電子ブックリーダー、スマートウォッチなど、平均すると4台のデジタル機器を所有し、一週間に60時間もウェブコンテンツにアクセスしているとの結果が出ています。

デジタル機器の長時間の利用は、デジタル眼精疲労の原因となります。デジタル眼精疲労とは、デジタル機器を2時間以上見続けた場合に生じる眼の不快感と視力低下です。デジタル眼精疲労になると、疲れ目やドライアイなどの症状が現れます2

米国成人の70%近くは、デジタル眼精疲労の症状を経験したことがあると報告しています2。 特に20代に多く、73%が症状を訴えています3

デジタル眼精疲労とドライアイ症状

デジタル眼精疲労の原因の多くはデジタル機器の長時間使用ですが(米国成人の30%は1日9時間以上もデジタル機器を使用しています3)、画面の種類や機器の切り替えも問題となることがあります。たとえば、画面の反射やグレアなどを感じると、まぶしさを和らげるため目を細めたりします。

画面反射、グレア、画面の輝度の変化は、瞬きを抑制し、最終的に涙の不安定化やドライアイの原因となります。実際、コンピュータ画面を見つめると、瞬きの回数が減り、涙の正常な分泌が阻害され角膜の露出が増すことは、これまでの研究によって実証されています4

しかし、重要なのは瞬きの回数だけではありません。瞬きの完全性も涙の安定性に影響を与えます。不完全な瞬きでは涙が眼の表面を十分に覆わないだけでなく、視力を低下させ、かすみ目の原因ともなります4

瞬目回数の減少や不完全な瞬目による眼の乾燥は、コンタクトレンズ装用者のほうが非装用者より強く感じています3。 デジタル機器を利用するコンタクトレンズ装用者の約85%が、乾燥による症状を一つ以上経験していますが、コンタクトレンズ非装用者では約71%です5

約90%の人はデジタル機器の利用による眼の不快感があっても、アイケアプロフェッショナルに相談していません6。デジタル機器を使った生活習慣について次のことを確認してください。

  • 使用しているデジタル機器の種類(スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど)
  • 1日にデジタル機器を使用する時間
  • 長時間デジタル機器を使用した後の目の症状

デジタル眼精疲労の症状がある場合、瞬目の頻度を上げる、定期的にデジタル画面から眼をそらして遠くを見つめる、画面の文字サイズを大きくする、画面からの距離を調節するなどの対策を提案することはできます。しかし、実際に行うことが難しかったり、患者が忘れてしまったりすることから、このようなアドバイスの効果は限られています。

画面フィルタ、コンピュータ用眼鏡、乾燥しにくいコンタクトレンズなどを使用しても、部分的な解決にしかなりません。コンタクトレンズ装用者でデジタル眼精疲労の症状のある場合には、レンズ素材、レンズの光学設計、レンズケア用品などを変更することが有効なこともあります。よく話し合って最善の解決策を決定してください。

1 National panel. Device penetration for Smartphones was based on Neilsen Mobile Insight, #3 2016 / #3 2015.
2 Meyer D, Huenink S, Rickert P, Kollbaum P, Chamberlain P. Symptoms associated with eye fatigue in soft contact lens wearers. Paper presented at: Annual Meeting of the American Academy of Optometry: 2015.
3 Keeping up with ocular fatigue in the digital era [Clinical Education].(Contact Lens Spectrum.2016;31:3-10.
4 Portello JK, Rosenfield M, Chu CA.Blink rate, incomplete blinks and computer vision syndrome. Optom Vis Sci.2013;90(5):482-487.
5 Hall L, Coles-Brennan C. Digital eye strain: more screen time = more digital eye strain. Contact Lens Spectrum.2015;30:38-40.
6 The Vision Council. Eyes overexposed: the digital device dilemma: 2016 degital eye strain report.

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