「レンズケース」とコンタクトレンズは密接な関係にありながら、皆さんはさほど関心を持っておられない気がしますが、如何ですか? 最近開かれた学会で、角膜感染症の問題が再び話題になり、レンズ容器との関連が改めて指摘されました。 
今回は「レンズケース」について取り上げてみます。

「レンズケース」とは、レンズを入れる容器のことですが、一般的にハードコンタクトレンズ(HCL)やワンデータイプ以外の全てのソフトコンタクトレンズ(SCL)に必要な、洗浄、消毒、保存をする時に使われるものを言います。 
一方、ワンデータイプや定期交換型SCLが最初から入っている容器は「ブリスターケース」と呼ばれ、開封後、捨てられています。この両者とも様々な製品があります。

昭和30年前後から使われ始めたHCLは大変貴重なもので、当初のレンズケースは二つのお椀を合わせた球形の金属容器が主流で、ケースに彫り込まれた模様が高価な印象を与えました。現在は、円筒形のプラスチックケースになり、左右二つに分かれた容器内に軟らかいレンズホールダーがあるのが一般的です。

2ウィークタイプで代表される定期交換型SCLのレンズケースは通常プラスチック製、スクリューキャップで密閉する形式が多く、容器の底面には浅い凹面があり、これに沿ってSCLを浸して消毒、保存が行われます。レンズケースは繰り返し使用し、指定期間が過ぎると新しいものに交換されます。

一方、最初からレンズが入れられているブリスターケースは半球型、ハート型、しずく型など様々の形をした小型のプラスチック容器で、アルミシールの蓋があり、これを剥いでレンズを取り出し、全て捨てられるのはご存じのとおりです。(一年間で1200万トンのプラスチック、230万トンのアルミが捨てられています!)

さて、では最も恐い感染症“角膜潰瘍”と“レンズケース”はどの様につながるのでしょうか? それは、ひとことで言うと、レンズ容器の“汚れ”です! 洗浄、消毒のケアをやっているのに・・何故? そのお答えは・・以下のとおりです。

定期交換型SCLを使い続けるうちに、レンズケースには数か月で少しずつ汚れが付着するようで、大多数の重症感染例ではレンズケースからカビなど微生物が検出されています。レンズケースも綺麗に洗い、乾燥させておくのが大切です。また、ケア用品購入時に、通常は新しいレンズケースが付いてるので、1ヶ月、少なくとも2カ月に一度新しくする機会があります。決して長期間使用しないで下さい!

HCLを使っている方のレンズケースが茶色に着色しているのを見かけます。2年も同じケースを使っている方もあります。ケースの中を洗うのは難しいです。安価で入手できる新しいケースに交換しましょう!

ワンデータイプを使っている方の場合、容器の汚れは心配いりません。しかし、レンズを取り出す時に(シート型以外のブリスターケースでは)レンズの内面が表になっていることが多いので、指を綺麗にしてレンズを取り出しましょう!

監修:医学博士 﨑元 卓(フシミ眼科クリニック)

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