皆さんは、ソフトコンタクトレンズが眼科の治療に使われているのをご存知ですか? きっと、特別なコンタクトレンズだろうと思われるかもしれませんが、実は、皆さんが使っているのと同じレンズです。 ときどき、コンタクトレンズで角膜や結膜にキズが出来たり、感染や結膜炎を起こしたりする事もあるのに、眼の治療に使うのは変だと思われるかもしれませんね。 ソフトコンタクトレンズが実用化されたのは1970年代の初めでした。 その頃、私は米国で角膜移植の研究をしていたのですが、初めてソフトコンタクトレンズを自分の目に入れた時、今までのハードレンズと比べて、痛み、 ごろごろ感のない事に、本当に、驚きました。そして、ひょっとすると、いえ、きっと、このレンズは治療に使えると感じました。それ以来30年以上、現在も、私達はソフトレンズを角膜の病気の治療に使っています。 皆さんの中には「角膜にキズが有ります、暫くレンズを入れないでください」あるいは、「コンタクトレンズを入れると、あなたの眼はキズつきやすいので、メガネにして下さい」と眼科で言われた人もいるかもしれません。本当にそうなのでしょうか? “コンタクトレンズの治療応用”という分野が有ります。逆さまつ毛で角膜に傷が付き易い人、角膜の表面がデコボコして見えにくい人、キズを縫合しても痛みが取れない人など。その症例にソフトレンズを入れると治りが早く、痛みからも解放されます。つまり、コンタクトレンズが“透明な包帯”の役割をしている事になります。それは、他に代わりがないくらい役に立っています! 同じソフトコンタクトレンズが、一方では傷の原因になり、他方では傷を治す働きをする!一体この違いは何なのでしょう? それは、レンズの汚れや乾き具合に関係が有ります。つまり、レンズが汚れてなく、乾燥しないように保てれば、ソフトレンズは“眼にとって味方になる”という事になります。 レンズの治療応用は、原則として点眼薬を併用した連続装用です。そして、この時の大切なポイントは、治療薬の効果のみならず、ソフトレンズが乾いた状態にならないように十分に気を付けて行っている点です。 実は、同じ事が、皆さんのソフトレンズ装用中にも、とても大切なポイントになります。つまり“乾いた時、乾きそうな時に、レンズに水分を与える”これがレンズの汚れを少なくし、眼を悪くしない最大のコツになるのです! 監修:医学博士 﨑元 卓(フシミ眼科クリニック)
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