私どもではお客様から色々なお問合せをいただいておりますが、その中でもコンタクトレンズを使っていて「目が乾く」とのご相談が意外に多く寄せられています。

  • 朝レンズを着けてからお昼頃までは大丈夫なのに、午後になると乾いて見えにくくなる。
  • 1日に何回も目薬を差さなければならない。
  • 今使っているレンズよりも乾きにくいレンズはあるか。 などなど・・・。

その都度、お客様と一緒に解決の方法を考えるのですが、原因は様々で、個人差もあることから回答に悩んでしまうこともよくあります。

今や、夏も冬も建物の中だけでなく、乗り物の中でもエアコンの風を受けますし、また、パソコンやスマートフォンが手放せないために自然と瞬きの回数が少なくなるなど、知らず知らずのうちに目が乾燥してしまっているのです

そういえば、舞台や映画を見に行った時に目薬を差している人を時々見かけます。
瞬きを忘れるほど集中して作品をご覧になっているのに、手に汗どころか、目薬を握っていらっしゃるのでは楽しみも半減してしまいますね。

そして乾燥感を解消するために、今使っているレンズ以外の製品も試してみたいと考える方が多いようです。
そんな時、どんなポイントでレンズを選んでいますか?
コンタクトレンズ選びのポイントには色々あると思いますが、今回はソフトコンタクトレンズの素材についてご紹介します。

ひと口にソフトコンタクトレンズと言っても、実は様々な素材があり、それぞれに特徴があることをご存知でしょうか。

まず、一般的に広くソフトコンタクトレンズ素材として使用されているヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)という 素材があります。これは親水性があり柔らかく装用感が良いことが特徴です。含水率も低いものから高いものまで各種あり、レンズの保存液に保水成分を加えたり、レンズのデザインを工夫したりして、より「うるおい」を高めているものがあります。

それから、新世代のコンタクトレンズ素材として注目を浴びているシリコーンハイドロゲルは、何と言っても酸素透過性の高さが特徴です。含水率が低くても酸素を多く通し、乾燥感が少なく装用感に優れていることから、コンタクトレンズのトレンドと呼べる素材です。

そして、意外に知られていませんが、最先端技術バイオミメティックを駆使して開発された保水成分MPCポリマーをコンタクトレンズ素材に配合したPCハイドロゲル素材というものもあります。 バイオミメティックテクノロジー(生体模倣技術)とは、自然界に存在する生物の機能や仕組みを参考にして、新たな技術の開発や性能向上に結びつける技術のことで、有名なところでは、サメの皮膚を応用して作られた競泳用水着・蚊の口を応用した痛くない注射針などが実用化されています。

ヒトの細胞膜をモデルに生まれた「MPCポリマー」は、医療用機器を始めとして、私たちが普段使っている化粧品など、すでに多くの製品に応用されています。前述のようにヒトの細胞膜を模倣したものなので、ヒトの体になじみ易いという利点があるのです。
この素材をコンタクトレンズのHEMA系素材に配合することで、ヒトの体になじみ易いうえに高い保水力と親水性があって、瞳を乾燥から守るレンズが開発されました。この技術からできあがった素材はPCハイドロゲル素材と呼ばれています。

快適なコンタクトレンズライフを送るために、そして、あなたの目に合ったコンタクトレンズに出会うために、眼科の先生に悩みや希望を正直に相談してみてくださいね。

監修:医学博士 﨑元 卓(フシミ眼科クリニック)

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