お子様がいらっしゃる方へ

裸眼視力1.0 未満の子どもの割合は年々増加傾向です。

近視は眼球の長さ(眼軸)が長いことが主な原因の一つだと考えられていますが、学年があがるごとに近視の度数も強くなり、眼軸長(眼球の長さ)も小学校の高学年ですでに大人と同じぐらいの長さになっていることが調査※1でわかりました。近視の発症要因は親が近視でそれを受け継いでしまう遺伝要因と、ライフスタイルや暮らしの変化などの環境要因の変化の両方が関与していると言われています。外遊びが少なくなったことに加え、スマートフォンやタブレットなど、近くを見る時間や、作業する時間が長時間続くことで、近視になりやすいといわれています。近視は小学校3~4年生で発症することが多いのですが、最近では発症の低年齢化が見られます。また、近視になった年齢が早いほど、将来強い近視になりやすいと言われているので、なるべく早期からの予防を心がけましょう。

近くを見る作業が長時間続くことで、近視になりやすいと言われています

遠くを見るときは、目の筋肉(毛様体筋)はリラックスしていますが、逆に近くを見るときは筋肉を縮ませピント合わせをしています。
つまり、近くを見続けてしまうと筋肉が縮んだままの緊張した状態になるため、次に離れた所を見た時に筋肉が十分に伸びず、一時的にピントが合わせられなくなるために見えにくくなることがあります。この状態を仮性近視と呼びます。

また、近くにピントを合わせた状態が続くと、その距離を見えやすいように目が順応していまい、眼球の長さ(眼軸長)が伸びて近視が進むと言われています。

20-20-20のルール

近視進行を予防するために読書や勉強は、1時間くらいしたら10分程度、体をほぐすだけでなく、遠くを眺めるなどして目も休めましょう。

20分以上のデジタルデバイスの連続使用は近視になるリスクがあります。20分みたら20秒間、6m(20フィート)離れた場所を見る、20-20-20のルールを守りましょう。習慣付けできるまでは、タイマーなどを使って時間の管理をするのも良いかもしれません。ご家庭で時間のルールを決めて子供の視力を守ってあげたいですね。

さらに詳しく知りたい方は子どもの近視ナビ「子供の近視と予防・対策・治療法」をどうぞ。

※1 令和3年度児童生徒の近視実態調査, 文部科学省, R3より引用し改変

マガジン・ニュースへ

監修 :東原尚代 先生(医学博士)

1999年に関西医科大学を卒業後、京都府立医科大学眼科学教室へ入局。バプテスト眼科クリニックや大学院でのドライアイ・角膜の研究を経たのち、2011年にひがしはら内科眼科クリニック副院長に就任。地域に寄りそった眼科診療と共に、京都府立医科大学でも円錐角膜・コンタクトレンズ専門外来や講師を務める。専門分野は、円錐角膜・ドライアイ・コンタクトレンズ。