カラーコンタクトレンズ(カラーCL)について、最近“国民生活センター”の報告がマスコミにも取り上げられ、話題になりました。・・「カラーCLによる感染症で失明した若い女性が増加! 品質、販売方法にも問題有り!」・・というものでした。・・・そこで “カラーCLは本当に危ないのか?”“安全に使うコツは何か?”・・について2回に分けて、じっくりとお話ししてみたいと思います。

まず「恐い感染症」について・・最近、我々が経験した症例・・大学の眼科に紹介された女子中学生・・両方の眼が開けられない痛みがあり来院。両眼の角膜にアメーバ―の感染が進行しており、即日入院治療になりました。・・聞くところによると、この一カ月ぐらい、カラーCLの調子が悪かったが、“何とか無理すればレンズを使えたので”・・でも、今朝はもう我慢できなくて・・と。・・点滴、内薬、点眼などの治療で約2週間後に退院されましたが、視力はメガネをかけても0.3以上は出ませんでした。

失明するほど重症の“角膜潰瘍”の原因のうち、アメーバ―より進行が早いのは細菌による感染です。特に緑膿菌の感染は・・恐ろしいほど・・進行が早いのです!・・・私が眼科に入局2年目に経験した症例・・夜の当直でみたソフトレンズ使用の40歳代女性の例を決して忘れません。・・・診察して、角膜潰瘍の原因に緑膿菌も考え、有効な内服薬、点眼薬、軟膏を処方し“どうぞお大事に、明日またおいで下さい”と帰宅して頂こうとしていたら・・“ちょっとお前、こっちへ来ぃ!”・・と病棟医長が私を怖い顔でにらんでいる!・・医長の所へ行くと・・“すぐ入院して頂いて、お前はこれから一秒も眼を放さないで点眼を続けろ!一睡もするな!”と一喝された。・・恐さの余り、うたた寝も出来ず一晩中見ていると・・本当に!・・刻々と潰瘍が大きくなり、明け方までには角膜の半分まで白くなっていったのです。・・この様に治療しても或る程度までしか進行を止められないことも経験しました。

コンタクトレンズ(特にソフトCL)による角膜の感染では視力回復が難しい患者さんが多いです。・・今回お話した二症例共に、視力回復に角膜移植が必要でした。・・角膜は水晶のようにものすごく透明で0.5mmしかない薄いデリケートな膜です。・・一度濁るとなかなか元通りになりにくいのです!

では、なぜ治療が遅れるのでしょう?・・“私ならそんなにひどくなるまで放っておかないよ”とおっしゃるかも知れません。・・実は、ここに大事なポイントが有るのです!・・・そもそも、ソフトレンズは“痛みを覆い隠してしまう”性質が有ります。・・お勧めできませんが・・眼にキズが出来て痛む時、試しに、レンズを入れなおすと“痛みが軽くなります!”・・これが、ソフトレンズの危険な面です!・・決して行ってはいけない“透明な包帯”作用というものです!・・・ もうお分かりでしょう。・・皆さんが、感染の起こり始めにレンズ(カラーCL)を入れ続けると・・恐い、角膜潰瘍の治療開始が手遅れになる理由がこれなのです!

次回は“カラーCL”が他のレンズより、なぜ危険な感染症を起こし易いのか・・についてお話しましょう。

監修:医学博士 﨑元 卓(フシミ眼科クリニック)

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